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橋本ゼミの紹介

[経済社会学]

2004-

 

1.このゼミで何を学ぶか

2.ゼミ活動の内容

3.読書案内(基礎編)

4.研究課題選

5.ゼミ生の紹介

6.教員の自己紹介

7.FAQ(よく質問されること)

 

 

1.このゼミで何を学ぶか

 

 

 

 

1−a.「いかに生きるか/いかに社会を変革するか」

 本ゼミは一応「経済思想・政治哲学」を専門としていますが、その実態は、「文化論」と「経済社会学」と「規範理論」のゼミです。より端的には、「経済社会学」を中心とするゼミであり、例えば、「豊かさ」「労働」「消費」「制度」「倫理」などをテーマに、現代社会の理論と現実を探究しています。ゼミにおける研究の方向として、一方には「いかに生きるか」という文化的・人生論的な主題があり、他方には「いかに社会を変革するか」という実践的・規範理論的な主題がありますが、ゼミ生は各自、この二つの大きな主題を研究の両極に据えて、自分の人生と社会のあるべき姿を探ることになるでしょう。

具体的なテーマとしては、人物評伝、消費社会論、豊かさとは何か、大学論・学問論、労働論・仕事論、貨幣論・金融論、資本主義論・グローバル化論、福祉社会論、倫理学、エコロジー思想、政治思想・法哲学、社会政策論といった、幅広い研究分野を用意しています。ゼミ生は、最初はいろいろな分野を横断し、最後は一つのテーマに絞り込んでいくことになるでしょう。一つ一つの研究は専門的なものですが、しかしその専門性を超えて、「いかに生きるか/いかに社会を変革するか」という、素朴で根本的な問題に汗を流して取り組むことが、このゼミの目標となっています。自分に対して理想をもち、社会の現実を語りたいという人を、応援しています。

 

1−b.このゼミで学ぶことの基本は、どのゼミでもやっている普遍的なこと

 どんなゼミでも、「とりあえずこれだけは大学生として身につけておきたい」という基本的な事柄を学習します。その基本とは、一般に「情報リテラシー」と呼ばれているものですが、例えば、「パソコンでの文書作成」、「パワーポイントを用いたプレゼンテーション」、「インターネット活用術」、「メーリングリストによるコミュニケーション術」、「ホームページ作成術」、「図書館の活用術」、「読書法」、「小論文の文章力」、「時事問題の解説力」などの学習です。本ゼミでは、こうした情報リテラシーをしっかりと身につけることから出発します。

 また、どんな専門研究においても、学ぶことはある意味で共通していると言えます。それは、「チャレンジ精神をもつこと」、「努力に裏づけられた自信を得ること」、「情熱をもって取り組むこと」、「相互に協力しながら切磋琢磨すること」、「新しいアイディアをもつこと」、「フィールドワークをすること」、「対話力を身につけること」などです。こうした学習の目標は、「情報社会(知識産業社会)を生きるための力」として、大学卒業後も必要であり、また、就職面接に際して重要となる事柄です。本ゼミでは、卒業後の実践的な目標を意識して、どんな組織でもやっていける人材(つまり総合職向きの人材)を育てていきたいと思っています。

 

1−c.思想は勉強しないで身につける

 「どんな組織でもやっていける人材」というのは、たんに「使いやすい人間」というのではありません。むしろ、情報社会において、人々から信頼されるような「知性」と「人間性」を身につけた人のことです。「知性」と「人間性」を身につけるためには、何よりも、「人間について深く考える」ことが必要です。ある意味で「思想」とは、人間について深く考えること、そのものだとも言えます。

しかし人間考察としての「思想」は、机に向かって勉強すれば身につくというわけではありません。自分なりの思想をもつためには、例えば、古い小説をいくつか読み、何か誇れるような「自信」をもち、海外旅行を通じて「世界の現実」を体験し、サークル活動などにおいて「熱中する経験」を重ね、言葉にならない「苦悩」を体験し、そして、多様な人々との「会話」に膨大な時間を費やす、といったことが必要です。「自分なりの思想」、「自分なりの考え方」をもつためには、まず自分の殻を破り、そして豊富な経験に身を晒しましょう。本ゼミでは、そのための機会をいろいろと提供していきます。「僕はこう思うけれど、あなたはどう思う?」といった会話を繰り返すなかで、考える力が伸びていくことを理想としています。

 

 

 

2.ゼミ活動の内容

 本ゼミの活動は、大きく分けて、「正規のゼミ」、「サブゼミ」、「その他の活動」の三つから構成されています。

 

 

2−a.正規のゼミは「議論」と「チュートリアル」と「研究発表」

毎週一回、4限-5限の3時間が正規のゼミ(演習)時間です。本ゼミではこの時間帯に、「講読と議論」「チュートリアル」「研究発表」という三つのメニューを用意しています。

 「講読と議論」では、古典的な著作の中でも比較的簡単に読めるテキストを素材にして、活発に議論を交わすことが目標となっています。毎回、ゼミでは、ゼミ生を「発表班」「司会班」「質問班」の三つの班に分けて、それぞれの役割を明確にしながら、議論を進めていきます。

これに対して「チュートリアル」では、ゼミ生に対する個別指導を行います。例えば、研究発表の準備、就職活動の相談、英語の勉強方法、留学の準備、サブゼミ課題の選択、人生相談などについて、それぞれのゼミ生のニーズに合わせたアドバイスをしています。本ゼミでは、ゼミの後半の時間帯(5限)を「チュートリアル」にあてています。また同時に、チュートリアルの待ち時間を用いて、ゼミ生たちのあいだで議論や会話を楽しんでいます。さらに、本ゼミ以外の「オフィス・アワー」や「夕食会」でも、希望者に対してチュートリアルをしています。

最後に「研究発表」とは、個人またはグループによる研究成果の発表です。ゼミ生はこの発表のために、図書館などを利用して、さまざまな準備をすすめることになるでしょう。そして研究発表の成果は、最終的には「卒業論文」へと仕上げていきます。研究発表の具体的な内容については、以下の「研究課題選」をご覧ください。

 

2−b. サブゼミではベーシックな教養を学ぶ

 サブゼミでは、約一年間(といっても夏休みと春休みを除いて約7か月)のプログラムによって、社会に出るための基本的な教養と、専門研究のための入門的な素養を身につけていきます。

 例えば「新聞スクラップ」では、新聞を読んで気になる記事を切り取り、それにコメントを付して、スクラップブックに貼っていきます。また「ビデオ鑑賞」では、図書館に所蔵されている「ビデオ」や「テレビ番組」を見て、コメントを書く練習をします。「小論文の練習」では、大学入試の小論文や、時事問題に関する小論文をこなすことによって、就職活動と就職後に必要な、最低限の「レポート作成能力」を習得していきます。ゼミ生はこのサブゼミを通じて、大学生としてのベーシックな教養を身につけていくでしょう。

サブゼミでは、毎週の課題を素材にして、議論や会話をします。毎週一回、一時間弱の時間を使って行います。なお、サブゼミが終わる3年次の11月以降も、ゼミ生たちは自主的に、就職活動の準備のために集まっているようです。サブゼミは、ゼミ生たちのサークルのようなものです。

 

2−c.その他の活動では「実践」を学ぶ

 この他に本ゼミでは、「ディベート大会」や「合宿」や「インタビュー実践」などの活動を、それぞれ年に一回ずつ予定しています。これらの活動を通じて、ゼミ生は、社会の中で考えること、そして、議論と会話の中で生きることを学んでいきます。

 例えば「ディベート大会」では、「テーマに関する共同勉強」→「主義主張の明確化」→「資料の収集」→「プレゼンテーションの練習」→「予期される批判に対する反論の準備」→「本番」→「評価」というプロセスのなかで、学生たちはチームワークの大切さを学んでいきます。

 また「インタビュー」では、「インタビュー対象の探索」→「アポイントメント」→「質問作成」→「インタビュー本番」→「文章化」→「追加調査」→「プレゼンテーション」といったプロセスを通じて、フィールドワーク研究の基本を身につけます。「インタビュー先」の具体的な対象については、「インタビュー先のリスト」をご覧ください。

 

 

 

3.読書案内(基礎編)

 「大学生活が充実した」と言えるための一つの条件は、すぐれた書物に出会い、その感動を友人や後輩に伝える、という経験ではないでしょうか。ある意味で大学生の教養とは、読書体験と読書術に尽きる、といっても過言ではありません。読書にはそれだけすばらしい力が秘められています。以下に紹介するのは、本ゼミと関係のある基本図書です。(といっても必読ではありません。)この読書案内(基礎編)のほかに、「読書案内:おすすめ図書リスト」をご覧ください。

 

3−a.大学生活について考えるために

 立花隆編『二十歳のころ〈1〉19371958―立花ゼミ「調べて書く」共同製作』新潮文庫(大学生活をいかに過ごすべきかについて考えるための素材です。)

 高野悦子『二十歳の原点』新潮文庫(二十歳の大学生が書いた日記の古典です。)

 佐高信『青春読書ノート:大学時代に何を読んだか』 講談社文庫(かなり刺激を受けます。)

 橋本努『学問の技法』(出版予定:「読書術」や「レポート作成術」などについても論じています。コピーをお配りします。)

 橋本努『学問の技法(大学院編)』(出版未定:大学院進学を考えている人のために、コピーをお配りします。)

 

3−b.社会科学全般の基本書

 大塚久雄『社会科学の方法――ヴェーバーとマルクス』岩波新書、大塚久雄『社会科学における人間』岩波新書(いずれも、社会科学入門書のロングセラーです。)

 中谷巌『入門マクロ経済学』(他のテキストでもかまいませんが、マクロ経済学の基本をおさえておきましょう。)

 プラトン『メノン』岩波文庫、プラトン『国家』岩波文庫(いずれも古代ギリシア哲学の古典です。とても興奮します。)

 スミス『国富論』全三巻、中公文庫(とりあえず第1巻の前半を読んでみてください。)

       ヘーゲル『精神現象学序論』作品社(ヘーゲル哲学の最良の入門書です。)

 マルクス『賃銀・価格および利潤』、マルクス『賃労働と資本』岩波文庫(いずれも薄い本で、マルクスによるマルクス経済学の入門書です。)

 ウェーバー『社会学の基礎概念』恒星社厚生閣(理論社会学の入門書です。この出版社の翻訳に限定します。)

 『日本の論点』(様々な社会問題について解説したもので、社会科学入門として最適です。毎年刊行されます。)

 

3−c.ゼミとサブゼミの基本書

 大田一廣/鈴木信雄/高哲夫/八木紀一郎編『経済思想史──社会認識の諸類型──』名古屋大学出版会(経済思想に関するスタンダードな入門書です。)

 ハイルブローナー『入門経済思想史 世俗の思想家たち』ちくま学芸文庫(読み物として最適です。)

 『チャート式新倫理』数研出版(高校生向けの参考書ですが、むしろ大学生に読んでもらいたい本です。)

 『代ゼミ小論文ノート』代々木ゼミナール(高校生向けの問題集ですが、大学生にも適しています。)

 

3−d.手元に置くべき辞典など

 『広辞苑』(電子辞書を購入する際には、『広辞苑』が入っているものを選びましょう。)

 『経済学辞典』有斐閣(就職後も使うことの多いスタンダードな辞典です。)

 『倫理思想用語辞典』山川出版(高校生・大学生向けの辞典です。思索を明快な言葉で表現するために。)

 『経済財政白書』(毎年発行されています。一度買って、どんなことが書いてあるのか、読んでみましょう。)

 

 

 

4.研究課題選

 本ゼミでは、以下のような研究テーマを推奨しています。もっとも、推奨したい研究テーマは他にもたくさんあります。また推奨されていないテーマについても、このゼミでは自由に研究することができます。

 

 人物評伝:

ロビンソン・クルーソー、ベンジャミン・フランクリン、J.S.ミル、ロバート・オウエン、カール・マルクス、チェ・ゲバラ、ローザ・ルクセンブルク、マックス・ウェーバー、福沢諭吉、大杉栄、河合栄治郎、ヴェブレン、J.M.ケインズ、松下幸之助、ハイエク、ジョージ・ソロス、ソルジェニーツィン、リー・クァン・ユー(シンガポール首相)、ネルソン・マンデラ、など。

 消費社会論:

フロイトとラカンの欲望論、ボードリヤールの消費論、現代消費社会分析(広告デザイン論など)、60年代の若者文化論、ポスト・モダニティ論、ブランド戦略論、など。

 豊かさとは何か:

スロー・ライフ論、国際人間開発指数論、新しいエリート層の生活論、貧乏生活論など。

 大学論・学問論:

大学改革論、教養論、英才教育論、現代大学生の心理学、人工知能論、など。

 労働論・仕事論:

アーレントとマルクスの労働論、フリーター論、シンボリック・マネージャー論、など。

 貨幣論・金融論:

パーソンズとルーマンの貨幣社会論、マルクスの貨幣論研究史、債務帳消し論、貨幣発行自由化論、など。

 資本主義論・グローバル化論:

グローバル正義論、マルクスとゾンバルトの資本主義論、現代資本主義の比較分析論、プロテスタンティズムの倫理論、アイン・ランドの小説論、など。

 福祉社会論:

「ケア」の思想、障害者論、臓器移植論、福祉国家の国際比較論、など。

 倫理学:

フェミニズム論、反グローバリズム運動論、市民社会論、功利主義批判、いじめ論、など。

 エコロジー思想:

ディープ・エコロジー論、環境税論、リサイクル論、など。

 政治思想・法哲学:

自由主義、平等主義、保守主義、共同体主義、根源的民主主義、多文化主義、など。

 社会政策論:

性の自己決定論NHK民営化論、選挙制度改革論、階層分断化論、など。

 その他:

フーコーの主体性論、エルスターの合理的選択論、市場思想論、進化経済学、初期マルクス論、信頼論、など。

 

 

 

5.ゼミ生の紹介

橋本ゼミは、1997年に始まりましたが、2000-2002年にかけて私がニューヨークに長期滞在したこともあり、ゼミの卒業生はまだ多くありません。ゼミの活動は、これから、さらに活発にしていきたいと思います。

 

5−a.就職・進学先の例

大学院進学 東大2名、慶応1名、北大6

地方公務員 2

民間企業 トヨタ2名、ソニー1名、JR北海道1名、富士通1名、三井住友銀行1

 

5−b.卒業論文の例

J.S.ミルの天才論」「豊かさ概念の系譜学」「高齢化社会のビジネス論」「大学生論」「アジア共通通貨論」「エルスターの合理的選択論」「ボードリヤールの消費社会論」など。

 

 

 

6.教員の自己紹介

 私の自己紹介をする前に、まず親友の茂木欣一を紹介させてください。

中学から大学かけて、茂木と橋本の二人は「ソン・コラージュ」という名前の自作自演バンドをやっていました。茂木がドラムとボーカルの担当で、私がギターとベースの担当です。茂木はその後、フィッシュマンズのドラマーとなり、現在は、東京スカパラ・オーケストラのドラマーをやっています。どうぞよろしくお願いします。

私の場合、大学生になってから、ジャズに興味をもち、ジャズ研でギターを弾いたりしていました。大学生の頃はジャズとアルバイトと海外旅行に明け暮れる生活です。昼間はギターの練習、作曲、読書、あるいは、講義に出席。夕方になると、毎日さまざまなゼミに顔を出して議論。夜は毎週五日間、家庭教師や塾講師のアルバイト。夏休みと春休みには、それぞれ一か月以上の海外旅行……。とまあ、だいたいそういった学生生活を送っていました。

 大学時代の私は「国際金融論」のゼミに出ていましたが、この他にも「マルクス貨幣論」や「宗教社会学」や「社会思想」などのゼミにオブザーバーとして出席させてもらい、さまざまな人たちと、さまざまな議論を交わしていました。いまになってみると、そういった経験がとても役に立っています。

 私は国語が苦手科目で、本を読むのが遅かったのですが、ある時期から読書に目覚め、主に小説を読むことから大きな経験を得てきました。また当時、「経済原論」の岸本重陳先生は、「一日100頁の本を読まなければ大学生とは言えない」などと言って学生を挑発していましたが、私もその挑発にのせられて、夢中になって読書したことを覚えています。

 現在、私が学生に勧めているのは、私が大学時代にやってよかったと思っていることです。それは第一に「長期海外旅行」、第二に「読書」、第三に「議論」、です。専門の勉強は、後でも間に合うでしょう。

 海外旅行について言うと、私は学部時代に、次のような地域を旅しました。イギリス、フランス、スペイン、イタリア、スイス、ギリシア、中国、インド、ネパール、タイ、台湾、メキシコ、ガテマラ、ホンジュラス、などの諸国です。とくに、貧しい地域を旅することから多くの経験を得たように思います。私は個人的に、ベトナム人とネパール人とガテマラ人に対して親近感を感じています。どうも私は、これらの民族のいずれかに属するような気がしてならないのです。

 私が大学院に進学することを決めたのは、大学3年次の終わりのことでした。それまでの私は普通に就職することを考えていましたが、しかし中途半端な活動ばかりしてきた私は、ある日、「あとで後悔しないように、もう少し勉強しておこう」と思いたち、その頃の自分にとって最も魅力的であった「社会思想」の研究を志すことにしました。当時は、東欧革命、天皇崩御、バブル経済、などの社会現象があり、時代はポストモダンの全盛期でした。その中で私は、「資本主義vs社会主義」という20世紀の一大思想論争について強烈な関心を持ち、とりわけハイエクの思想と理論を検討することからはじめました。

その後、大学院では「相関社会科学」というところにすすみ、いろいろな経緯があって、現在のような学際的研究に至っています。自分の研究については、いずれ紹介することにしましょう。

 

 

 

7.FAQ(よく質問されること)

 ゼミ進学について、よく質問されること(Frequently Asked Questions)にお答えします。

 

7−a.このゼミは忙しいですか?

 平均的なゼミの活動と比べて、このゼミは「サブゼミ」がある分だけ、少し忙しいと思います。ですが、最も精力的に活動しているいくつかのゼミと比べてみると、おそらく、その半分程度の忙しさでしょう。また、各種の資格試験の準備や、サークル活動などがある場合には、そうした事情を優先して、個別にゼミの課題を少なくしています。本ゼミでは、「やりがいのある忙しさ」を応援しています。

 

7−b.思想や哲学は苦手なのですが、やっていけますか?

 このゼミの学生たちは、多くの場合、経済社会学に興味関心があって、思想や哲学はちょっと齧るだけ、という感じですね。実は私も、思想や哲学は素人なので、似たり寄ったりなのですが。哲学や思想が苦手でも、このゼミでは楽しくやっていけます。楽しくやっていくためには、ゼミ生たちとたくさん会話を交わして、知的で楽しい会話力を身につけることが一番ですね。もっとも、思想や哲学の研究は、楽しまなくてもやりがいのあるものです。苦しんでも探究する価値はあります。

 

7−c.他のゼミに所属しているのですが、このゼミにも参加できますか?

 私も複数のゼミに出席していましたので、他のゼミ生の参加を、とても歓迎しています。「一回だけ」の参加や、「飲み会だけ」の参加も歓迎しています。「メーリングリストだけの参加」という方法もあります。あるいは、あまり知られてないようですが、ゼミを変更することは制度的に可能です。これまで本ゼミでは、4人の学生が他のゼミから移ってきました。ゼミ変更の手続も簡単ですから、3年次以降も、いろいろなゼミを探索してみてください。

 とくに大学院進学を考えている人には、複数のゼミに参加することをお奨めします。研究分野を決定する際に、いろいろな分野の研究を試行錯誤した人ほど、すぐれた研究テーマを掴み取る可能性が高いからです。本ゼミの大学院進学希望者に対しても、他のゼミに出席することを奨めています。